1995年、天才時計師ロジェ・デュブイによって設立されたマニュファクチュールは、革新的なデザインと高度な機械式複雑時計で瞬く間に名を馳せた。その中でも「エクスカリバー」コレクションは、アーサー王伝説の聖剣にインスパイアされた大胆な造形で、ブランドの象徴として君臨している。2008年に登場した「エクスカリバー 42」シリーズは、より幅広い腕元にフィットすることを目指し、コレクションの本質を42mmという絶妙なサイズに凝縮した。Ref.DBEX0538は、その中でも特に純粋な自動巻きモデルとして、ローズゴールドの温かみとシルバーダイアルの凛とした美しさを追求した逸品である。
この時計の第一印象を決定づけるのは、18Kローズゴールド製ケースが放つ、優しくも力強い輝きである。42mmという直径は、決して小さくはないが、厚さわずか10.5mmに抑えられたスリムなプロポーションが、シャツの袖口にも美しく収まる洗練された装着感を実現している。最大の特徴は、コレクションのアイデンティティである溝付きベゼルと、それを固定する3つのアタッチメントだ。まるで彫刻刀で削り出したようなシャープなエッジと、サテン仕上げとポリッシュ仕上げを巧みに使い分けた表面処理が、光を受けるたびに複雑な陰影を描き出す。
シルバーの文字盤は、サテン仕上げが施され、上品な光沢を放つ。視認性を重視したアプライドのアワーマーカーと、力強い針が、時間を明確に示す。3時位置には、日常使いに欠かせない実用的な日付表示窓が控えめに配されている。このシンプルな構成が、ローズゴールドのケースの美しさを一層引き立てている。
心臓部に搭載されるのは、ロジェ・デュブイ自社製の自動巻きキャリバーRD830である。厚さわずか4mmという薄型ムーブメントは、183の部品から構成され、27石、28,800振動/時(4Hz)の高精度で時を刻む。48時間のパワーリザーブは、日常使いにおいて十分な実用性を提供する。ケースバックはシースルーではないが、その分、確かな堅牢性と30mの防水性能を確保している。
ブラックのアリゲーターストラップと、18Kローズゴールド製の可調節式フォールディングバックルが、全体の佇まいをさらに格調高くまとめる。
エクスカリバー 42 オートマティック DBEX0538は、派手な複雑機構に頼らずとも、素材の質感と卓越したデザインで勝負する、大人のための一本である。それは、日常のあらゆるシーンで確かな存在感を放ちながら、身に着ける者の品格を静かに、しかし力強く語りかける、ローズゴールドに刻む42mmの美学なのである。 |