ヴァシュロン・コンスタンタンが2012年に発表した「マルテ トゥールビヨン エクセレンス・プラチヌ Ref.30130/000P-9876」は、ブランドが誇る「エクセレンス・プラチヌ」コレクションの限定モデルである。世界僅か50本という希少性に加え、ケース、ダイヤル、バックル、さらにはストラップのステッチに至るまで、すべてが950プラチナで統一された至高の一本である。
このモデルの最大の特徴は、その堂々たるトノー(酒桶型)ケースにある。サイズは38mm×48mm、厚さ12.73mmと存在感は十分でありながら、 パネライコピー洗練された曲線が腕に自然と溶け込む。ケース全体にはサテン仕上げとポリッシュ仕上げが絶妙に施され、プラチナ特有の重厚な輝きを引き出している。
文字盤はサンドブラスト処理が施されたプラチナ製で、シルバーグレーの落ち着いた表情を見せる。特徴的なのは、6時位置に配置されたトゥールビヨンだ。そのケージはブランドのシンボルである「マルタ十字」の形をしており、複雑機構でありながらも視覚的な美しさを極めている。このトゥールビヨンは、169もの部品から構成され、すべてが手作業で仕上げられている。
心臓部には、自社製手巻きムーブメント「キャリバー2795」を搭載する。毎時18,000振動でテンポよく時を刻み、約45時間のパワーリザーブを備える。27石のこのムーブメントは、ジュネーブ・シール(Poinçon de Genève)を取得しており、最高水準の精度と仕上げが保証されている。サファイアケースバックからは、伝統的なコート・ド・ジュネーブ装飾や手作業による面取りが施された部品の数々を鑑賞することができる。
マルテ トゥールビヨン エクセレンス・プラチヌ。それは、プラチナという最高級の素材と、トゥールビヨンという複雑機構、そしてマルタ十字という伝統的モチーフが融合した、現代の時計芸術の金字塔である。身に着ける者の腕元で、静かに、しかし確かな輝きを放ち続ける、まさに「プラチナの極み」と呼ぶにふさわしい一本である。 |