2003年、バーゼルワールドでパテック フィリップは一つの革命的タイムピースを発表した。Ref.5101P「10デイ・トゥールビヨン」の誕生である。これは、単なるトゥールビヨン搭載時計ではなく、240時間(10日間)という驚異的なパワーリザーブを誇る、世界初の機械式時計であった 。
51.7mm×29.6mmという細長いレクタンギュラーケースは、1920年代から30年代のアールデコスタイルにインスピレーションを得ている 。三段の段差を設けたケースサイドは、当時の高層建築を思わせる幾何学的な美しさを湛え、手首に沿うように湾曲したフォルムが、その ロレックスコピー時計大きさにもかかわらず驚くほど快適な装着感を実現している 。素材には950プラチナを採用し、6時位置のラグの間には、プラチナモデルの証である一粒のダイヤモンドが控えめに輝く 。
最大の特徴は、その神秘的なローズゴールドの「サーモン」ダイアルである 。パテック フィリップが滅多に使わないこの希少な色合いは、このモデルが特別な存在であることを静かに物語っている。ブラックオキシダイズ加工が施されたホワイトゴールドのブレゲ式アラビア数字と葉形針が、この暖かなキャンバスにくっきりと浮かび上がる。12時位置の10日間パワーリザーブ表示、6時位置のスモールセコンドと「Tourbillon」の文字は、まさにオブザーバトリークロノメーターの伝統を受け継ぐものである 。
パテック フィリップは、あえてダイアル側にトゥールビヨンの窓を設けていない。紫外線が潤滑油を劣化させ、精度を損なうことを防ぐためである 。その代わり、サファイアクリスタルのシースルーバックから、自社製キャリバー28-20/222の精緻な美を堪能できる。地板のペルラージュ、受けに施されたコート・ド・ジュネーブ、6個のゴールドシャトンに収められたルビー、そして0.3gという羽毛よりも軽いトゥールビヨンケージ 。そのブリッジの手仕上げだけで2日を要するというこのムーブメントは、時計製造の芸術性を極めている 。
毎年数十本しか製造されなかったというこの希少なモデルは 、時を計る道具である前に、パテック フィリップの技術と美学の頂点を示す、至高の芸術作品なのである。 |