時計と自動車レースの深い絆を体現する一本がある。ショパール ミッレミリア グランツーリスモ XLは、1927年から1957年にかけてイタリア全土を約1000マイル(1600km)走り抜けた伝説の公道レース「ミッレ・ミリア」にオマージュを捧げたコレクションである。1988年にショパールがこのレースのオフィシャルタイムキーパーに就任して以来、その名を冠する時計は、モータースポーツの情熱とスイス時計製造の伝統が融合する象徴となった。
このモデル最大の特徴は、その44mmという大径ケースが放つ圧倒的な存在感にある。ステンレススチール製のケースは、リューズガードを備えた力強いラウンドフォルムが印象的であり、スポーティでありながらも気品を漂わせる。100mの防水性とサファイアクリスタル風防を備え、実用性も兼ね備えている。
デザインの真髄は、そのディテールに宿る。ブラックダイヤルには、レーシングカーのタコメーターを彷彿とさせるパワーリザーブインジケーターや、視認性抜群の大きなアラビア数字が配されている。そして、何よりもこの時計を象徴するのが、1960年代のダンロップ・レーシングタイヤのトレッドパターンをそのまま再現したラバーストラップである。この遊び心あふれるデザインは、時計愛好家とカーマニアの心を同時に掴んで離さない。
心臓部には、COSC認定のクロノメーター自動巻きムーブメントが搭載され、約46時間のパワーリザーブを誇る。シースルーバックからは、その精緻な仕上げを鑑賞することができる。
ミッレミリア グランツーリスモ XLは、単なる時計ではない。それは、イタリアの風と、時代を超えて語り継がれるレースの鼓動を腕もとに刻む、自動車愛好家のための誇り高き相棒なのである。 |