IWCシャフハウゼンが2016年に発表した「アクアタイマー クロノグラフ “シャーク” IW379506」は、単なるダイバーズウォッチではない。過剰漁獲によって絶滅の危機に瀕しているサメへの認知を高めるために生まれた、500本限定の特別な一本である。この時計は、サメ保護活動に取り組むチャールズ・ダーウィン財団への支援というブランドの姿勢を、象徴的な形で具現化している。
このモデルの最大の特徴は、灰色の文字盤とケースバックのデザインにある。文字盤の色は、多くのサメの体色からインスピレーションを得たもので、アードワーズ(灰色)と呼ばれる独特の色合いが、他のアクアタイマーとは一線を画す存在感を創り出している。そして何より印象的なのは、ケースバックに刻まれたシュモクザメの群れのエングレービングだ。深海を泳ぐその姿は、この時計が語るべき物語を雄弁に物語っている。
ケース径は44mm。ステンレススチール製のケースは300m防水を備え、プロフェッショナルなダイバーズウォッチにふさわしい堅牢性を持つ。IWCが独自に開発した内外回転ベゼルシステムは、内側ベゼルの優れた視認性と外側ベゼルの操作性を両立させ、更に「SafeDiveシステム」により逆回転防止機能も備えている。
心臓部には自社製キャリバー89365を搭載。時計に搭載されているのは、フライバック機能付きクロノグラフと日付表示で、約68時間のパワーリザーブを誇る。
この時計の購入者には、アメリカ人写真家マイケル・ミュラーが撮影したサメの写真集『Sharks』が、サメから身を守る鉄製のケージと共に贈られた。ミュラーは鉄製のケージを使わずに深海でサメと泳ぎ、その姿を写真に収めたという。この時計は、サメという存在への敬意と、海の生態系を守るというメッセージを、時を刻みながら伝え続けている。 |