スイス時計製造の伝統と、前衛的なマテリアルイノベーションの融合。ウブロは1980年の創業以来、「アート・オブ・フュージョン(融合の芸術)」を旗印に、ゴールドとラバーなど異なる素材の組み合わせで時計業界に革命を起こしてきた。その革新的な精神を最も象徴するコレクションが「ビッグ・バン」であり、2020年に誕生した「インテグラル」は、ケースとブレスレットが完全に一体化した新たなデザイン言語を提示した。Ref.451.CX.1140.CX「オールブラック」は、その中でも最もピュアなモノクロームの美学を追求した、未来を見据えた一本である。
この時計の第一印象を決定づけるのは、ケースからブレスレットへと途切れることなく続く、漆黒のシルエットである。42mmのケースは、マットブラックのサテン仕上げが施されたブラックセラミック製で、傷つきにくく、経年変化による劣化もほとんどない。特徴的な6本のH型ブラックコーティングチタンスクリューで固定されたベゼルも同色のセラミックで、全体の統一感を高めている。
最大の魅力は、インテグラルモデルの真骨頂である「ワンピース構造のブレスレット」にある。従来のビッグ・バンはラグの間にストラップを取り付ける構造だったが、このモデルではケースの一部としてブレスレットが設計されている。そのブレスレットはケース同様のブラックセラミック製で、無数の面取りとサテン仕上げが光を受けるたびに複雑な陰影を描き出す。フォールディングバックルもセラミックで統一され、総重量約148gの軽快な装着感を実現している。
漆黒のスケルトンダイアルには、ブラックのアプライドバーインデックスとブラックのアワーマーカーが配され、その視認性を確保するために針だけは鮮やかなホワイトゴールドが採用されている。これは、いわゆる「ブラックアウト」デザインの美学でありながら、実用性を決して損なわないウブロの哲学の現れである。時・分・秒の3針に加え、6時位置には日付表示窓が設けられている。
心臓部に搭載されるのは、ウブロ自社製の自動巻きキャリバーHUB1710である。28,800振動/時(4Hz)、約50時間のパワーリザーブを誇り、シースルーバックからその精緻な動きを鑑賞することができる。100mの防水性能も、日常使いにおける実用的な信頼性を裏付けている。
ビッグ・バン インテグラル オールブラック451.CX.1140.CXは、単なる時計ではない。それは、ケースとブレスレットが一体化した漆黒の彫刻であり、オールブラックの美学が未来へと切り拓く、新たなる統合のカタチなのである。 |