45ミリのチタンケースは、ウブロの特徴的な「フュージョン」哲学を体現する多角形の建築的デザインを持つ。ケース表面には、オーリンスキー特有の幾何学模様が複雑に刻まれ、光の反射によって絶え間なく変化する視覚効果を生み出す。この彫刻は単なる装飾を超え、時計に立体感と動きをもたらす構造的要素となっている。

文字盤は、このコラボレーションの真髄を披露する。深いエメラルドグリーンを背景に、オーリンスキーの「グリーンマジック」シリーズを思わせる幾何学模様が展開する。このパターンは、見る角度によって形と色彩が変化するオプティカル・アートの特性を持ち、時計に生きているような動的な質感を与える。

この時計の中核には、ウブロが完全自社製造したCaliber UN-171手巻きムーブメントが搭載されている。シンプルな二針表示に徹したこのムーブメントは、芸術的な文字盤の邪魔をすることなく、その美しさを最大限に引き立てる。約72時間のパワーリザーブは、現代的な生活リズムに完全に対応する。

文字盤の最大の特徴は、その深みのある色彩の階調である。エメラルドグリーンは、光の加減によって深い森の緑から鮮やかな宝石の輝きへと変化する。この色彩の魔術は、オーリンスキーが追求した「色彩の振動」を時計の文字盤上で再現したものだ。

針は、ウブロ特有の剣形デザインを継承しながらも、文字盤の芸術的パターンと調和するよう特別に設計されている。針の形状と色彩は、幾何学模様の中に自然に溶け込み、視認性を損なわずに時刻を表示する。

ケースバックには、オーリンスキーのサインと、この特別なコラボレーションを記念する刻印が施されている。サファイアクリスタルを通して、精巧に装飾されたムーブメントの動きを鑑賞できる。

ブラウンのアリゲーターストラップは、エメラルドグリーンの文字盤との色彩対比が絶妙で、時計全体に芸術的な品格を与える。ストラップにはチタン製のフォールディングクラスプが装備され、細部までこだわりが貫かれている。

525.GX.0179.LR.ORL19は、単なる時計を超えて、時計製造と現代美術の対話から生まれた真の芸術作品である。その存在は、ウブロが提唱する「アート・オブ・フュージョン」の概念が、如何に異なる芸術分野との交流によって新たな表現を生み出し得るかを示している。この時計を腕にした者は、時間の経過とともに変化する色彩の魔術を、日常のあらゆる瞬間で体感することになるだろう。