この時計の第一印象は、その「彫刻的な立体感」にある。オーリンスキーが追求した多面体の美学「ファセットカット」が、45mmのケース全体に施されている。一つひとつの面が光を複雑に反射、屈折させ、時計の姿は静止しているのに、動きと深みを感じさせる驚異的な視覚効果を生み出す。

そして、この彫刻的なケースを彩るのが、その名の通り「マジック」とも言うべき深みのあるグリーンである。PVD処理によって実現されたこの色は、光の加減でエメラルドグリーンから深い森林の緑へと表情を変え、時計全体を神秘的なオーラで包み込む。

文字盤は、ウブロが得意とする「アエロフュージョン」スケルトン設計。オーリンスキーの彫刻的なケースの隙間から、機械の精密な鼓動を覗き見ることができる。時を刻む機械の核心と、それを包む現代アートのフォルムが見事に融合した、まさに「フュージョン」の名に恥じない空間が広がっている。

内部には自動巻きムーブメントが搭載され、その美しい仕上げはサファイアクリスタルバックからも楽しむことができる。

ウブロ アエロフュージョン オーリンスキーは、時計を「芸術表現の手段」と捉える者への最高の贈り物である。それは、独自の美学を貫き、時計を単なる道具ではなく、最高の自己表現の場と考える者たちの、最もパワフルな声明なのである。